鳳凰三山(薬師、観音、地蔵岳)

鳳凰三山(薬師、観音、地蔵岳)

タマケンひとり山岳部

鳳凰三山に登ってきました。

鳳凰三山は、
山梨県の南アルプス北東部にある3つの山
薬師岳・観音岳・地蔵岳 の総称です。

花崗岩と白砂の稜線。

地蔵岳にあるオベリスクの岩塔。

ずっと憧れの山でしたが、
行程が長く日帰りにはハード。
なかなか登れずにいました。

ようやく今回、
テントを担いで挑む事ができました。

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今回の登山ルートです。

★DAY1
夜叉神峠登山口 ⇒ 夜叉神峠 ⇒ 杖立峠
⇒ 苺平 ⇒ 南御室小屋 ⇒ 薬師岳 ⇒ 観音岳
⇒ 地蔵岳 ⇒ 鳳凰小屋(※テント泊)
※標準コースタイム:9h45min

★DAY2 
鳳凰小屋 ⇒ 地蔵岳 ⇒ 高嶺 ⇒ 白鳳峠
⇒ 白鳳峠入口 ⇒ 広河原
※標準コースタイム:6h40min

以下、鳳凰三山の登山記録です。
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★DAY1

5時30分。
夜叉神峠登山口の駐車場に到着。

登山届を提出。
6時10分、出発です。

今日は、標高差約1500mを登ります。
テント泊装備でこれだけ歩くのは初めて。
荷物は普段の倍以上です。
共用のものは二人で分担して担ぎました。
テント類と調理器具&水は、私。
食材は妻。

寝袋や衣類は各自で。

スタート時から、
普段より重たいザックに、足取りも重い妻。

なんとか50分ほどで、
夜叉神峠に到着。

白峰三山(しらねさんざん)がよく見えました。
右から北岳、間ノ岳、農鳥岳。

※意外と知らない人が多いと思いますが、
北岳は日本で2番目に高い山です。
(ちなみに、間ノ岳は4番目。)

延々と続く樹林帯。
途中、雲海が見えました。

8時05分 杖立峠。

展望なき樹林帯を進みます。

ザックが重く、とてもスローな妻・・。
しかたなく妻のザックをさらに軽くします。
食料の一部も私のザックに移動。

9時35分 苺平。

シラビソの林の中を歩きます。

途中ガスったり、また晴れたり。

難しい比喩の看板。

10時10分 南御室小屋(みなみおむろごや)。

空になったペットボトルに水を補給します。
スタートから4時間が過ぎ、
すでに、ひとり1.5Lの水を消費していました。

森林限界はもうすぐ。

妻はもうヘトヘトでした。。。

森林限界を抜け、
砂払岳山頂に着いた頃、

ついに妻ダウン。
声も出なくなりました。。

休息。
オニギリや饅頭で糖分を補給。

20分ほどして、ようやく回復した妻。
シャリバテ(糖分不足によるバテ)だったようです。

さあいよいよ、
ここから稜線歩きが始まります。

花崗岩と白砂の稜線。

キバナシャクナゲ。

12時05分ようやく、
鳳凰三山最初のピーク:薬師岳山頂に到着!

標高2.780m。

薬師岳の山頂は広々としていました。
寝転んで一服。

軽い昼食など20分ほど休憩してから
行動再開。

ガスが濃くなっていく稜線。

絶滅危惧種:タカネビランジ。

ハイマツの赤い花。

そして、

12時50分 観音岳山頂に到着!

標高2.841m。
観音岳は鳳凰三山の最高峰です。

石の上から、
雲の動き眺めます。

次から次に発生する雲。
見ていて飽きません。

最後のピーク:地蔵岳へ向けて出発。
ここからの稜線歩きが、最高でした。

日暈を裂くヒコーキ雲。

そして。

雲の中から突如現れたのは、
地蔵岳のオベリスク!

14時10分 地蔵岳山頂に到着です。。
鳳凰三山コンプリート!

あいにく、
すぐに山頂一帯はガスに覆われ、
オベリスクも姿を隠してしまいました。

幕営地を目指し、東側を下ります。

砂の急斜面。

樹林帯を下り、

クルマユリの花を過ぎ、

14時40分、やっと鳳凰小屋に到着。。
登山スタートから8時間30分。。
ザックも重かったし、なかなか疲れました。
もちろん速攻ビール。

そして、すぐにテント組立。

混雑するテント場と聞いていましたが、
この日はガラガラ。

16時30分から夕食(自炊)。

ハンバーグの後、
食べきれない程パスタを作ってしまい
吐きそうになりました。

前日の寝不足もあり、
夕食後はバタンキュー。
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★DAY2

翌日。
2時30分に起床。
(たっぷり7時間半寝ました。)

暗闇の中、
周囲の人を起こさぬよう静かにテント撤収。
空には満天の星。

3時ちょうど出発です。
再び、地蔵岳を目指します。

ヘッデンの灯りが頼り。

誰もいない樹林帯。
道迷いが不安だな、と思った矢先・・・、

本当に道から外れていました。
遭難です(笑)。

来た道まで戻ろうとしても、
来た道がどこにあるのか分からくなりました(汗)。。
暗闇の中で右往左往。

最後はGPS頼み、進むべき方角へ_
とにかく草木をかき分け、
倒木を越えて汗だらだら。

やっと昨日の砂地に出る事ができました。
(ホッとしました。)

しかし、ほんと急斜な砂地獄。
歯をくいしばって登ります。

道標は、オベリスクのシルエット。

そして4時15分。
再びの地蔵岳!

地蔵だけの地蔵岳。

御来光を待ちます。

風はありませんが、
寒いのでレインウェアを着ます。

西の空も焼けています。

我々2人の他に誰もいない山頂で、
オベリスクを前にして御来光を待つ。
なんだかすごい幻想的な時間でした。

そして、4時37分御来光!

完璧な御来光でした。

遠くの雲海。

八ヶ岳も。

北岳、間ノ岳、農鳥岳。

や、本当キレイでした。

余韻に浸ったまま、
朝5時ちょうどに下山開始!

白鳳峠を経由して、広河原を目指すルートです。

太陽を背にして進みます。

朝日に照らされたシャクナゲ。

前方には甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳の絶景。

5時40分、高嶺。

今日はまだ、朝から誰とも会っていません。
貸切状態の絶景を歩きます。
(※下山まで誰にも会いませんでした。)

6時20分 白鳳峠。

ここからゴーロ帯が続きます。

本当歩きにくい。

甲斐駒のゴーロ帯にもあった白い苔。

40分以上続いたゴーロが終わると、

苔むす樹林帯に突入。

シラビソの深い森です。

薄暗く荒れた急斜面を延々下ります。

梯子が連続。

鎖場も。

そして林道に到着。

白鳳峠からこの2時間の下りは、
ほんと疲れました・・。

広河原まではあと少し。

途中で、寄り道。
吊り橋を渡ってみました。

前方に北岳が見えました。
近いうちに登ってやりましょう。

8時30分。
広河原に到着しました。

ここからすぐにバスに乗るつもりでしたが、
バスの始発がなんと、10時15分!。
(調べておけばよかった・・・。)

インフォメンションセンターで1時間半の時間潰し。
そこで見た掲示物の内要はショックでした。

写真比較で見た「この十数年での森林の減少」、
特に「鹿害の影響」を知って気持ちが凹みました。

10時15分の始発バス。

夜叉神峠登山口まで戻ります。

鳳凰三山。
ほんと、素晴らしい山行でした。